言ってみたい言葉があるのです
貴方だけに・・・
アイノコトバ
窓の外はどんより灰色の雲が覆っていて今にも空が泣き出しそうな、妙に空気の重い日だった.
小さな部屋の隅でぼんやりと外の世界を見つめていたアレンの肩に、そっと上着がかけられた.
ほかの誰でもなく、養父の手で.
寒いか、とたずねる彼にアレンは首を横に振って答えた.
暖炉の火は申し訳程度にか細くて、この季節は酷だ.
それでも優しく頭をなでる彼の手がなによりも温かいことを知っていたから.
どんなに雨が降ろうと、雪が降ろうと、この季節を何度迎えようと、その手があれば幸せだと思えた.
彼さえ傍に居てくれたらそれだけで・・・
「ねえマナ、ずっと一緒にいてくれるよね.」
驚きに見開かれた目はすぐに細められる.
「ああ、お前が望むかぎり一緒にいよう.」
彼に抱きしめられるときはいつもそうだ.
大きくて、あたたかくて、胸の奥で堅いなにかがじんわり溶けていくような不思議な気持ちになる.
それを言葉にするのはむつかしくて、なんだか気恥ずかしい.
上手く言えない.
「愛しているよ、アレン.」
愛してる.
アイシテル.
その言葉は今もまだ上手く言えない.
彼の優しさで零れ落ちた心の雫はひたひたと地面に足跡をのこす.
歩き続けろと貴方は言った.
貴方と一緒ならどこまででも歩いていける.そう信じてた
そう信じてる、今でも・・・
傍に居てくれるなら僕はどこまででも歩きつづけよう.
地面に小さく足跡を残しながら.
いつまでも、いつまでも.
この道を歩き抜けて、もしその先に楽園があるのなら、貴方のいる場所にゆけるのなら、
出逢えたその場所で、きっと伝えてみせるから.
貴方のことを・・・
「愛しています.」
Dグレ初小説です
マナアレはすごく綺麗で重いイメージだったりします
子アレはマナ以外に大切なものって知らなかったんじゃないかな・・・
ヨイチたんからのリクってことで(笑)
07.04.03